研究内容
神経発生・再生学とは
一個の受精卵が細胞増殖・移動・分化・成熟などの過程を経て複雑な体の構造を作り出すことを発生といいます。脳や脊髄の発生のしくみを明らかにする神経発生学の研究によって、神経細胞が作られるしくみが徐々に明らかにされてきました。神経細胞の大部分は、胎児や子供の脳に存在する「神経幹細胞」と呼ばれる母細胞から作られると考えられています。
一方、生物には失った体の一部を修復する能力があり、これは再生と 呼ばれています。高等動物の脳や脊髄の再生能力は非常に低いため、病気や事故によって失われた神経機能を回復させることは、とても難しいと考えられていま す。しかし近年、成人の脳にも「神経幹細胞」が存在し継続的に神経細胞がつくられていること、そして動物実験では脳梗塞などによって失われた神経細胞が部 分的に再生されることがわかってきました。これらのことは、ヒトの脳にも潜在的な再生能力がある可能性を示唆しており、それを利用した治療法の開発が期待 されています。
再 生は成体における発生の再現であるとも考えられるため、発生学の研究によって得られる知見は、再生のしくみを理解し、臨床応用するためにも役立つことが期 待できます。そこで本講座では、ネズミとサルの神経発生と再生のしくみについて研究を行い、その成果を交通事故や脳梗塞などの原因で失われた神経機能を回 復させることのできる治療方法の開発に役立てたいと考えています。
(2005年4月慶應義塾大学医学部内にブリヂストン神経発生・再生学寄附講座を開設した時に作成したページです。現在、新しい研究内容のページを準備中です。)
