名古屋市立大学脳神経科学研究所

SAWAMOTO LAB 澤本研究室 - 名古屋市立大学医学研究科脳神経科学研究所 神経発達・再生医学分野

SAWAMOTO LAB 澤本研究室 - 名古屋市立大学医学研究科脳神経科学研究所 神経発達・再生医学分野

ニューロンの移動停止メカニズム

Sawada M, Ohno N, Kawaguchi M, Huang S, Hikita T, Sakurai Y, Nguyen HB, Thai TQ, Ishido Y, Yoshida Y, Nakagawa H, Uemura A, Sawamoto K.
PlexinD1 signaling controls morphological changes and migration termination in newborn neurons. 
EMBO J 37: e97404 (2018).

 移動するニューロンは1本の先導突起を伸ばしただけの未熟な形態を示しますが、移動を停止した後は樹状突起を伸ばし、複雑な神経細胞の形態を示すようになります。しかし、ニューロンが移動を停止する過程でどのように形態を変化させるかは分かっていませんでした。本研究では、目的地で移動を停止するニューロンが形成する新しい突起filopodium-like lateral protrusion (FLP) を発見し、その調節機構としてSema3E-PlexinD1シグナルの役割を明らかにしました。

 澤本先生とのディスカッションでは、一つずつの実験をどのように緻密なデータに仕上げるか、それをどのように論文として組み上げていくかを教わりました。また、発見した「新しい突起」にどのような名前をつけるか、澤本先生とたびたび議論したことはとても良い思い出です。

博士課程の後半からスタートしたこのプロジェクトは、論文受理までに7年かかりました。特に、論文のrevisionは、当時指導していた神農さんのCell Stem Cell、藤掛さんのJ Neurosciのrevisionともバッティングした上に、バレンシア大学への短期留学も迫っていたため、これまでの研究人生で最も過酷な時期でした。論文受理の吉報は、すでに渡航していたバレンシアで受け取り、追加のrevisionがなくてホッとしたのを覚えています(写真は、地元の日本人に教えていただいた、日本人経営の美味しいお寿司屋さんで、家族にお祝いしてもらった時のもの)。また、論文受理後に、EMBO Jから表紙のオファーがあったことも、とても嬉しい思い出です。
(澤田雅人)

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