新生ニューロンが血管を足場にして移動する仕組み
Fujioka T, Kaneko N, Ajioka I, Nakaguchi K, Omata T, Ohba H, Fässler R, García-Verdugo JM, Sekiguchi K, Matsukawa N, Sawamoto K.
β1 integrin signaling promotes neuronal migration along vascular scaffolds in the post-stroke brain.
EBioMedicine 16:195-203 (2017)
脳梗塞などの脳傷害が生じると、脳室下帯におけるニューロン新生が亢進し、産生された新生ニューロンの一部は傷害部周囲へと移動して、成熟します。これらは澤本研の諸先生・先輩方が明らかにしてきた知見です。私は新生ニューロンの移動における血管の役割に注目し、新生ニューロンに発現する接着分子のβ1 integrinが、血管基底膜の主要な構成因子であるlamininとの相互作用によって新生ニューロンの傷害部への移動を促進していることを明らかにしました。
臨床教室(神経内科)から大学院生として研究室に受け入れて下さり、初めの1、2年間はマウスの交配、脳梗塞モデルの作成に苦労し、行った実験もよい結果がでませんでした。そんな状況のなか、実験を続けることができたのは、辛抱強く見守り、常にポジティブなアドバイスを下さった澤本先生、金子先生のおかげでした。苦しい時期も、時が経てばよい思い出であり、また自分が恵まれた環境で大学院生活を送れたことに感謝しています。(藤岡哲平)
2018
戻る