名古屋市立大学脳神経科学研究所

SAWAMOTO LAB 澤本研究室 - 名古屋市立大学医学研究科脳神経科学研究所 神経発達・再生医学分野

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新生ニューロンの移動時の相互足場機構

Hikita T, Ohno A, Sawada M, Ota H, Sawamoto K.

Rac1-mediated indentation of resting neurons promotes the chain migration of new neurons in the rostral migratory stream of postnatal mouse brain.

J Neurochem 128: 790-797 (2014). 

 成体の脳においてもニューロンは絶えず新生されている。マウスの脳において、脳室下帯(V−SVZ)で新生したニューロンはrostral migratory stream(RMS)と呼ばれる特殊な経路を通じて嗅球(OB)へと移動する。RMSにおいて新生ニューロンは鎖状の細胞塊を形成し、互いを足場として移動している。RMSは非常に高密度に細胞が存在している一方で、ここを介した細胞移動は非常に高速である事が知られている。本論文においては、RMSを移動する新生ニューロンのうち、足場となる細胞がcell autonomousに細胞体の形態を変化させる事により、移動する細胞が通る経路を作る事を明らかにしました。本研究は、in vivo = 培養細胞であった私が生物の複雑さ、面白さを再認識するきっかけとなりました。澤本先生には研究の進め方だけでなくラボの運営や申請書の作成を含め、独立した研究者として重要な物事を勉強させて頂きました。この場をお借りして御礼申し上げます。(匹田貴夫)

(図)成体脳内を移動するニューロン

V-SVZにおいて新生したニューロンはRMSを経てOBへと至る。RMSにおいて新生ニューロンはお互いを足場として移動する。この際に、足場となる細胞(青色)は細胞の一部を凹ませる事で後ろから来た細胞(赤色)が通るスペースを作りだす。個々の細胞形態の変化が組織内におけるスムーズな移動を可能としている。

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