名古屋市立大学脳神経科学研究所

SAWAMOTO LAB 澤本研究室 - 名古屋市立大学医学研究科脳神経科学研究所 神経発達・再生医学分野

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Dishevelled2とVanglを介した新生ニューロンの配置と樹状突起形成

Hirota Y, Sawada M, Kida YS, Huang S, Yamada O, Sakaguchi M, Ogura T, Okano H, Sawamoto K

Roles of planar cell polarity signaling in maturation of neuronal precursor cells in the postnatal mouse olfactory bulb.

Stem Cells 30: 1726-1733 (2012).

 Wnt/PCPシグナルは多様な臓器で細胞極性を制御します。この論文ではPCPシグナルコア因子であるDishevelled2とVangl2がSVZで生じた新生ニューロンのOB内での配置と樹状突起形成に必要であることを報告しました。

 上衣細胞でのPCPシグナルを解析していたときに、SVZニューロンでもPCPコア因子の発現があり、胎生期の神経幹細胞・神経前駆細胞でもPCPシグナルの機能が報告されていたことから着目しました。(廣田ゆき)

 博士課程4年時に、転出された廣田ゆき先生の後を引き継ぎ、この論文に参加させていただきました。論文のRevisionでは、PCPシグナルが新生ニューロンの成熟過程に重要であることを示すため、樹状突起形成の解析が必要不可欠でした。当時、研究室で購入していただいたばかりの「Neurolucida」という形態解析ソフトを用いて、樹状突起の形態を解析したことをよく覚えています。樹状突起を丁寧にtraceしていくのはとても地味な作業ですが、徐々に「無」の境地になれること、定量データが一気にたくさんとれることから、私の好きなツールの1つとなっています。

 結果としてこの論文は、澤本研でNeurolucidaを使用した初めての論文となりました。また、この論文参加を機に、Wntシグナルや上衣細胞発生に関与することが多くなり、私の研究の幅を広げるきっかけになった1本として、とても思い出深い論文です。(澤田雅人)

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