インターフェロンによるうつ病発症と成体ニューロン新生

成体海馬におけるニューロン新生とうつ病に関する研究の成果が、Stem Cell Reports誌に掲載されました。

インターフェロンが中枢神経系のインターフェロン受容体を介して海馬におけるニューロン新生の低下と抑うつ症状を引き起こすことを明らかにしました。

本研究は、厚生労働省肝炎等克服緊急対策研究事業などのサポートによって行われました。

Zheng LS,* Hitoshi S,* Kaneko N,*# Takao K, Miyakawa T, Tanaka Y, Xia H, Kalinke U, Kudo K, Kanba S, Ikenaka K, Sawamoto K# (2014) Mechanisms for interferon-alpha-induced depression and neural stem cell dysfunction. Stem Cell Rep 3: 73-84. [*co-first authors; #corresponding authors] DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.stemcr.2014.05.015

 

2015年度大学院新入生候補者の募集

現在、2015年4月より研究に参加する大学院生(博士課程・修士課程)を募集しています。

ご興味のある方は、お気軽にメールで連絡して下さい(澤本和延 sawamoto@med.nagoya-cu.ac.jp)。

当研究室では、脳の発生・再生のメカニズムに関する分子細胞生物学的研究と、これらを医療に役立てるための研究を行っています。
医学・理学・理工学・薬学・農学部出身者を含む多様なメンバー構成になっております。

分子・細胞・個体レベル(マウス・サル・ゼブラフィッシュ)の様々な手法を用いています。

現在の主な研究内容

・成体脳室下帯におけるニューロン新生・細胞移動

・脳疾患モデルを用いたニューロン・グリアの再生機構解明と再生誘導方法の開発

・ニューロン新生における血管の役割

・嗅覚とニューロン新生の関係

・うつ病と海馬のニューロン新生の関係

・上衣細胞の繊毛の極性のメカニズムと意義

・神経幹細胞の老化のメカニズムと対策

(入試関係のスケジュールや過去問などの情報については本学のホームページに掲載されております。)

日仏交流

フランスの共同研究者が3名来訪し、当研究室のメンバーと交流しました。これは日仏両政府の支援により国際交流を促進するためのプログラムの活動として行っているものです。

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成体脳内の神経回路の左右差を作り出す仕組み に関する研究発表について

名古屋市立大学によるプレスリリース

本学医学研究科再生医学分野の澤本和延教授と岸本憲人特任助教らの研究グル

ープは、魚を用いた研究によって、成体脳内の神経回路の左右差を作り出す

仕組みを解明しました。この成果は、米国の科学雑誌ネイチャー・ニューロサ

イエンスに掲載されます(米国東部時間5 月19 日午後2 時)。

私たちの脳は左脳と右脳に分かれていて、それぞれの構造や役割に違いがあ

ることが知られています。これらの脳の左右差は、子供から大人に成長するに

つれてよりはっきりとしてくることがわかっています。しかし、成長とともに

右脳と左脳の違いを作り出す遺伝子についてはあまり良くわかっていません。

今回の研究では、ゼブラフィッシュという小型淡水魚を用いた実験によって、

成体期の脳内に存在する神経幹細胞から新しく生まれる細胞の運命を決める

Myt1 という遺伝子が右脳よりも左脳で強く働くことにより、嗅覚の左右差を作

り出している仕組みを初めて明らかにしました。

この仕組は、ヒトの脳の左右差の解明に役立つ可能性があります。

本研究は、本学の他、国立遺伝学研究所、トゥールーズ大学(仏国)が参加

した国際共同研究です。

<内容の詳細>

研究背景

私たちの体は一見左右対称ですが、利き手、利き足、利き目、利き耳があることから もわかるように、左右一対の身体(器官)のうちどちらか片側を好んで使用しています。 これは、成長とともに右脳と左脳に違いが生じ、特定の機能においては片側の脳の神経 回路が優位に働くようになるためと考えられます。これまでの研究によって、左脳・右 脳が機能分業することによって効率的な情報処理を行うことがわかってきましたが、左 右差を生み出す遺伝子や、その意義については十分に研究されていませんでした。そこ で、私たちは、遺伝子工学的な実験に適した小型淡水魚であるゼブラフィッシュ(学名: Danio rerio)を用いて、成体期において脳神経回路の左右差を作り出しているメカニズ ムを調べました。 研究成果 私たちは、ゼブラフィッシュの脳内で働いている多数の遺伝子を「遺伝子トラップ法」 という方法を使って、緑色蛍光タンパク質(GFP)で標識して観察しました。その結果、 幹細胞から作られる新しい神経細胞の運命を決定するMyt1 という遺伝子の働きが、成 長にともなって変化し、左脳の中の嗅覚に関係する部分で優位になるということを発見 しました。この遺伝子を持たない魚では、普通の魚よりも嗅覚が劣っているこ とから、Myt1 が嗅覚に必須な遺伝子であることもわかりました。 魚に利き鼻があるのかどうかを調べるために、成魚の片側の鼻に栓をして、好きな匂 い(アミノ酸)へ向かって泳ぐ行動(誘引行動)を調べました。右鼻に栓をしても誘引 行動には影響がありませんが、左鼻に栓を挿入するとアミノ酸への誘引行動ができなく なったことから、左鼻が利き鼻であることがわかりました。さらに、左鼻に栓 をしてから1週間経過すると、Myt1 が右側で強く働くようになり、アミノ酸への誘引 行動ができようになりました。このことから、魚は、利き鼻の機能を失った場 合に、脳内の遺伝子の働きを変化させて反対側の鼻を利き鼻に替えることができるとい うことがわかりました。 これらの実験によって、Myt1 が左脳で強く働くことによって、新しい神経細胞の産 生が左右非対称となり、魚の利き鼻が作られていることがわかりました。 成果の意義 この研究は、成体期につくられる嗅覚に関わる神経細胞の右脳と左脳における違いを 作り出す遺伝子を明らかにし、その嗅覚における意義を示したものです。脳細胞は生ま れた時にほぼ完成していて、年齢とともに適応能力が低下していくと考えられています が、この研究の結果から、成体になっても嗅覚に関わる部位に新しい脳細胞が付け加わ ることによって、右脳と左脳が持つ役割が変化することがわかりました。また、ヒトと ゼブラフィッシュではゲノムや脳の構造が似ていることから、ヒトの脳内における神経 回路の左右非対称性にも同様のメカニズムが関わっている可能性もあります。したがっ て、本研究の成果は、ヒトの脳の構造と機能の左右差の解明にも役立つことが期待され ます。

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今後の展開

本研究で用いた遺伝子トラップ法を大規模に行うことで、脳内の様々な神経回路で左 右非対称な働きをしている遺伝子の探索が可能になります。これによって、例えば、左 脳に言語野を作り出すメカニズムなど、未だ不明な点の多い脳の左右差形成の仕組みの 解明に役立つことが期待できます。

<掲載される論文の詳細>

掲載誌:Nature Neuroscience 電子版

題目:Interhemispheric asymmetry of olfactory input-dependent neuronal specification in the adult brain

著者:岸本憲人(名古屋市立大学)、浅川和秀(国立遺伝学研究所)、Romain Madelaine (トゥールーズ大学)、Patrick Blader (トゥールーズ大学)、川上浩一(国立遺伝学研究 所)、澤本和延(名古屋市立大学)

以 上

【終了】実験補助員を1名募集します

以下の募集は終了しました。多数のご応募ありがとうございました。

仕事内容

マウスの行動解析、脳の組織解析、遺伝子改変マウスの繁殖管理、遺伝子タイピングなど。詳細はお問い合わせください。

雇用期間

平成25年4月以降平成26年3月31日まで

※1年ごとの更新

勤務地

名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1番地

名古屋市立大学大学院医学研究科 再生医学分野

給与等

時給:1027〜1380円(経験、または資格に応じて名市大職員規程に準じ処遇します。)

※応募資格:理系の大学、短大、専門学校卒、動物アレルギーのない方。未経験の方も指導いたします。

交通費

別途支給、1日460円まで

社会保険等

健康保険・雇用保険・厚生年金保険・労災保険に加入

勤務日

月曜〜金曜のうち4〜5日(国民の祝日は除く)※応相談

※有給休暇あり

勤務時間

午前9時00分〜午後5時00分まで(休憩1時間)勤務日数、勤務時間については相談可

募集人員

1名

応募方法

面接選考を行いますので、下記連絡先まで履歴書(書式自由)を郵送にて送付ください。3月13日(水)必着(面接の日時は追ってご連絡致します。)但し、期間中でも採用者が決定次第終了。

問い合わせ・担当者

〒467-8601 名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1番地名古屋市立大学大学院医学研究科 再生医学分野

担当:筧(かけい) 理恵

電話:052-853-8532

e-mail:rie_k@med.nagoya-cu.ac.jp

新生児脳の白質傷害に対する再生医療に関する研究成果の発表について

名古屋市立大学によるプレスリリース

本学医学研究科の澤本和延教授(再生医学)と加古英介助教(麻酔・危機管理医学)らの研究グループは、新生児脳の白質傷害モデルマウスを使った実験により、オリゴデンドロサイトという脳の細胞の再生を促進することに成功しました。この成果は、米国の科学雑誌ステムセルズに掲載されます(米国東部時間8月13日)。

新生児期の脳では、血流や酸素供給が不足すると、神経の繊維が集まっている白質と呼ばれる部分が傷害を受けて、小児麻痺や痙攣などを引き起こすことが知られています。現在、この病気が起こったあとに有効な治療法は知られていません。今回の研究では、特殊なマウスを用いて、白質が傷害を受けた時のオリゴデンドロサイトという細胞の再生のしくみを明らかにしました。さらに、アシアロエリスロポエチンというたんぱく質を投与することで、脳内に存在する幹細胞からつくられる新しいオリゴデンドロサイトの成熟・再生を促進し、歩行機能を改善させることに成功しました。

この方法は、脳室周囲白質軟化症などの新生児白質傷害に対する再生医療に役立つ可能性があります。

本研究は、本学と生理学研究所(愛知県岡崎市)の共同研究として行われました。

<内容の詳細>

背景

 近年の研究により、脳内の「脳室」と呼ばれる部分の近くに幹細胞が存在し、脳の細胞を再生していることが明らかになってきました。また、こうした幹細胞の再生能力は、大人よりも子どもの方が高いことが知られています。しかし、新生児に一旦、白質傷害とよばれる脳傷害が起こってしまうとその後の再生が十分に起こらず、麻痺・痙攣等の症状が一生残ってしまうことが多く、その理由は不明でした。

 このような疾患において、白質を通る神経の繊維を取り囲み神経の情報伝達において重要な役割を果たしている「オリゴデンドロサイト」という細胞が傷害を受けやすいことが知られていました。従って、オリゴデンドロサイトを再生させることができれば、白質傷害の治療に役立つと考えられます。本研究では、脳室の近くに存在する未熟なオリゴデンドロサイトから白質組織が再生されるしくみを詳しく調べ、マウスに薬剤を投与して再生を促進することができるかを調べました。

?研究手法

生後5日のマウスに対して、脳を流れる血液を減少させる手術を行い、酸素が薄い環境で飼育することによって、新生児白質傷害の動物モデルを作製しました。オリゴデンドロサイトだけが光る遺伝子改変マウスを用いて、傷害後に未熟なオリゴデンドロサイトがどのように白質を形成するかを調べました。その結果、脳室の周りや傷害された白質において、多くの未熟なオリゴデンドロサイトが増殖しているのにも関わらず、時間がたってもその大部分が正常な細胞に成熟できないことを発見しました。従って、これらの未熟なオリゴデンドロサイトを成熟させることができれば、白質の再生を促進することができると考えられます。

そこで、未熟なオリゴデンドロサイトの成熟を促進するために、細胞成熟効果を持つアシアロエリスロポエチンというタンパク質をマウスに投与しました。傷害が起こり始めた後にアシアロエリスロポエチンを投与し、脳の細胞を顕微鏡で解析したところ、治療を開始したマウスでは徐々に細胞の成熟が促進されて、2週間後には正常な部分と同程度まで改善することがわかりました()。さらに成体マウスとなった時点で脳の構造や機能を解析したところ、アシアロエリスロポエチンで治療したマウスでは白質組織の再生が促進されており、歩行機能も正常近くまで改善していました。

結論

新生児における白質傷害の後の脳において、脳室の周囲で生まれたオリゴデンドロサイトが未熟なままとどまっていることを明らかにしました。さらに、アシアロエリスロポエチンを投与することによって、これらの細胞を成熟させて、白質の再生を促進することに成功しました。

医療への応用の可能性

 今回使用したアシアロエリスロポエチンは、貧血などの患者によく使われるエリスロポエチンの構造を変化させた薬剤であり、人体に対する安全性が高いと考えられています。また、今回の実験結果は、脳にダメージが起こって数日後に投与を開始しても脳組織を再生できるという可能性を示しており、現在治療法がない脳疾患の再生医療に役立つ可能性があります。

?<掲載される論文の詳細>

掲載誌:Stem Cells(8月13日電子版)

題名:Subventricular zone-derived oligodendrogenesis in injured neonatal white-matter in mice enhanced by a nonerythropoietic EPO derivative.

著者:加古英介(名古屋市立大)、金子奈穂子(名古屋市立大)、青山峰芳(名古屋市立大学)、飛田秀樹(名古屋市立大)、竹林浩秀(生理学研究所)、池中一裕(生理学研究所)、浅井清文(名古屋市立大学)、戸苅創(名古屋市立大)、祖父江和哉(名古屋市立大学)、澤本和延(名古屋市立大)

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神経細胞が死んだ場所に新しい細胞が加わる仕組み

名古屋市立大学によるプレスリリース

脳内における神経細胞の再生のしくみに関する研究成果の発表について

本学医学研究科の澤本和延教授(再生医学)と同大学院生澤田雅人らの研究グループは、脳内で神経細胞が入れ替わる再生のしくみを解明しました。この成果は、米国の科学雑誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンスに掲載されます(米国東部時間8月10日)。

近年、成人の脳の中にも幹細胞が存在し、新しい神経細胞がつくられていることがわかってきました。しかし、古くなったり病気によって死んだりした神経細胞がどのようにして新しい神経細胞と入れ替わっているかは不明でした。今回の研究では、特殊な顕微鏡を用いて、生きた動物の脳内の神経細胞を長期間観察し続けることにより、神経細胞が死んだ場所に新しい神経細胞が加わるしくみがあること、そして、このしくみが脳の活動によって調節されていることが初めて解明されました。

このしくみは、例えば脳疾患を再生医療によって治療する方法の開発に役立つ可能性があります。

本研究は、本学及び生理学研究所(生体恒常機能発達機構研究部門)等が参加した共同研究として行われました。

<内容の詳細>

背景

近年の研究により、成人の脳にも幹細胞が存在して、神経細胞を再生していることが明らかになってきました。これまでの研究方法では、死後脳を解析していたため、脳内でどのように神経細胞が入れ替わり、再生されるのかは不明でした。また、神経細胞の再生と脳の活動の関係については、ほとんどわかっていませんでした。今回我々は、生きた動物で神経細胞を長期間観察する技術を使って、神経細胞の再生のしくみと脳の活動の関係について詳しく調べました。

研究手法

脳内で匂いの情報処理に関わる嗅球と呼ばれる部位では、活発に神経細胞が再生することが知られています。今回我々は、生理学研究所鍋倉淳一教授らとの共同研究によって、生きたまま脳の中の神経細胞を観察することができる「二光子顕微鏡」という特殊な顕微鏡を使い、嗅球の神経細胞を2ヶ月にわたって繰り返し観察し続けました。その結果、古い神経細胞が死んだり、新しい神経細胞が神経回路に加わったりする様子を捉えることに成功しました。また、レーザーを用いて狙った神経細胞を殺すと、同じ場所に新しい神経細胞が再生されることを見出しました。さらに、マウスの鼻に栓を挿入して匂いの情報を遮断し、脳への刺激を失わせると、同じ場所での神経細胞の再生は起こらなくなることが分かりました。

結論

脳内で神経細胞が死んだ場所に新しい神経細胞が加わるしくみが存在し、そのしくみは脳の活動によって調節されていることが初めて解明されました。

医療への応用の可能性

我々のこれまでの研究により、脳内の幹細胞から産生される新しい神経細胞は、脳梗塞等の疾患で多くの神経細胞が死滅すると、その領域へと移動し、神経細胞の一部を再生することがわかってきました。しかし、その再生効率が低いため、脳の機能は十分に回復しません。今回明らかになったしくみを応用して失われた神経細胞の再生効率を高めることができれば、脳疾患の治療に役立つ可能性があります。また、脳の活動によって新しい神経細胞が加わるしくみを解明することで、傷害後のリハビリテーション法の向上や、iPS細胞などを用いた再生医療に貢献する可能性があります。

<掲載される論文の詳細>

掲載誌:Journal of Neuroscience、第31巻、11587−11596ページ

題名:Sensory input regulates spatial and subtype-specific patterns of neuronal turnover in the adult olfactory bulb

著者:澤田雅人(名古屋市立大)、金子奈穂子(名古屋市立大)、稲田浩之(生理学研究所)、和氣弘明(生理学研究所)、加藤康子(名古屋市立大)、柳川右千夫(群馬大)、小林和人(福島医科大)、根本知己(北海道大)、鍋倉淳一(生理学研究所)、澤本和延(名古屋市立大)

平成24年度大学院生候補者の募集

現在、平成24年4月より研究に参加する大学院生(博士課程・修士課程)を募集しています。

ご興味のある方は、お気軽にメールで連絡して下さい(澤本和延 sawamoto@med.nagoya-cu.ac.jp)。

当研究室では、脳の発生・再生のメカニズムに関する分子細胞生物学的研究と、これらを医療に役立てるための研究を行っています。

分子・細胞・個体レベル(マウス・サル・ゼブラフィッシュ)の様々な手法を用いています。

医学・理学・理工学・薬学・農学部出身者を含む多様なメンバー構成になっております。

現在の研究内容

・成体脳室下帯におけるニューロン新生・細胞移動

・脳室壁の繊毛運動と液流の発生のメカニズム

・嗅覚とニューロン新生の関係

・虚血性脳疾患モデルを用いたニューロン・グリアの再生機構解明と再生誘導方法の開発

・インターフェロン療法におけるうつ病と海馬のニューロン新生

(入試関係のスケジュールや過去問などの情報については本学のホームページに掲載されております。)

(終了)実験補助員を1名募集

実験補助員の募集は終了しました。

***********************

実験補助員を1名募集いたします。

名古屋市立大学大学院医学研究科再生医学分野では、損傷後の脳内でニューロンを再生することを目指した分子・細胞・個体レベルの様々な研究を行っています。この度、マウスを用いた実験の補助をして下さる方を募集します。

仕事内容:マウス脳の組織解析、遺伝子改変マウスの繁殖管理、遺伝子タイピングなど。詳細はお問い合わせください。

待遇:非常勤/名古屋市立大学の規定によります。

勤務時間: 9:00-17:00(休憩1時間を含む):応相談

休日:土、日、祝日および年末年始、有給休暇あり

給料:時間給1027〜1380円

通勤手当:1日460円を限度に支給

保険:健康保険、厚生年金保険、労災、雇用保険

勤務地:名古屋市立大学大学院医学研究科再生医学分野

URL:http://k-sawamoto.tk/

募集期間:2011年5月31日(火)まで。

適任者が決定し次第、募集を終了します。

選考内容:書類選考後、面接を行います。
着任時期:採用決定後のできるだけ早い時期(応相談)。

応募資格:理系の大学、短大、専門学校卒、動物アレルギーのない方。

未経験の方も指導いたします。

応募方法:下記まで、履歴書をお送り下さい(eメール可)。メールでのお問い合わせも受け付けます。

[連絡先]〒467-860名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1

名古屋市立大学大学院医学研究科 再生医学分野

金子 奈穂子 naokoka@med.nagoya-cu.ac.jp

Tel(052)853-8532

新生ニューロンがアストロサイトにトンネルを形成させながら移動するメカニズム(Neuron誌へ掲載)

Featured Article

New Neurons Clear the Path of Astrocytic Processes for Their Rapid Migration in the Adult Brain.

Kaneko N, Marín O, Koike M, Hirota Y, Uchiyama Y, Wu JY, Lu Q, Tessier-Lavigne M, Alvarez-Buylla A, Okano H, Rubenstein JL, Sawamoto K.

FULL TEXT Neuron. 2010 Jul 29;67(2):213-223.

PREVIEW in Neuron:?Going Tubular in the Rostral Migratory Stream: Neurons Remodel Astrocyte Tubes to Promote Directional Migration in the Adult Brain

Research Highlights in Nature:Tunnelling brain cells

Research Highlights in Nature Reviews Neuroscience: Neuron-Glia Interactions A tunnel signal

名古屋市立大学によるプレスリリース

名古屋市立大学医学研究科・澤本和延教授と金子奈穂子助教らの研究グループ(再生医学)は、脳内でつくられる新しい神経細胞が長距離を高速度で移動するしくみを解明しました。この成果は、米国の科学雑誌Neuronに掲載されます。

近年、大人の脳の中にも幹細胞が存在し、新しい神経細胞がつくられていることがわかってきました。そのような神経細胞が脳で働くためには、つくられた場所から遠く離れた場所へ移動しなければなりません。たくさんの細胞が密集している脳の中を、どのようにして神経細胞が移動するのかは、これまで不明でした。今回の研究により、新しい神経細胞が周囲の細胞を押し分けてトンネル状の通り道をつくるしくみによって、長距離を高速度で移動できることが初めて解明されました。

このしくみは、例えば脳梗塞や脳室周囲白質軟化症などの脳疾患を再生医療によって治療する方法の開発に役立つ可能性があります。

本研究は、本学の他、順天堂大学、慶應義塾大学、ミグエルヘルナンデス大学(スペイン)、ノースウエスタン大学(米国)、シティオブホープ医学研究所(米国)、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(米国)、ジェネンテック社(米国)が参加した国際共同研究です。

背景:近年の研究により、成人の脳にも幹細胞が存在して、新しい神経細胞(ニューロン)をつくり続けていることが明らかになってきました。脳の内部にある側脳室の壁に沿って存在する「脳室下帯」と呼ばれる部分は、脳内で最も活発にニューロンがつくられている場所です。この脳室下帯でつくられた神経細胞は、脳の前方まで長距離を移動して、嗅覚に関連したさまざまな機能を担う細胞へと成熟します。また脳梗塞などの疾患によってたくさんの脳細胞が死滅すると、傷害を受けた部位に移動してニューロンの一部を再生します。しかし、脳は細胞や線維が密集した組織であり、これらのニューロンがその中をどのようにして遠くまで移動しているのか、そのしくみは分かっていませんでした。今回我々は、ニューロンがアストロサイトという別の種類の細胞がつくるトンネルの中を通ることに着目して、そのしくみを詳しく調べました。

研究手法:細胞移動の調節に関わるSLITタンパク質をコードする遺伝子を欠失したマウスの脳を解析したところ、脳室下帯からのニューロンの移動速度が低下し、トンネルを形成するアストロサイトの形が不規則になっていることがわかりました。SLITタンパク質の受容体であるROBOの分布を調べたところ、トンネルを形成しているアストロサイトに局在していました。様々な培養法を使って、細胞の形の変化や移動する様子を詳細に解析したところ、ニューロンが分泌するSLITがアストロサイトの表面に存在するROBOに結合すると、アストロサイトが引っ込んで脳内にトンネル構造がつくられることがわかりました。

結論:移動するニューロンがSLITタンパク質を分泌することにより周囲のアストロサイトに働きかけ、自らの高速移動のためのトンネルの整備を行うという新しいメカニズムが明らかになりました。

医療への応用の可能性:脳内におけるニューロンの移動をコントロールして目的の部位に効率よく到達させることが可能になれば、現在は治療の難しい脳の病気、例えば脳梗塞や脳室周囲白質軟化症・神経変性疾患などを、私たち自身が持っている再生能力を活用し「再生医療」によって治療する方法の開発に役立つ可能性があります。また、iPS細胞を使って作成した神経細胞を移植する再生医療においても、移植後の細胞の移動をコントロールすることが重要と考えられます。

脳梗塞モデルにおける血管に沿った再生ニューロンの移動に関する新しい論文

Subventricular Zone-Derived Neural Progenitor Cells Migrate Along a Blood Vessel Scaffold Toward the Post-Stroke Striatum

Kojima T, Hirota Y, Ema M, Takahashi S, Miyoshi I, Okano H, Sawamoto K.

The subventricular zone (SVZ) of the adult brain contains neural stem cells that have the capacity to regenerate new neurons after various insults. Brain ischemia causes damage to brain tissue and induces neural regeneration together with angiogenesis. We previously reported that, after ischemic injury in mice, SVZ-derived neural progenitor cells (NPCs) migrate into the striatum, and these NPCs are frequently associated with blood vessels in the regenerating brain tissue. Here we studied the role of blood vessels during the neural regeneration in more detail. BrdU administration experiments revealed that newly generated NPCs were associated with both newly formed and pre-existing blood vessels in the ischemic striatum, suggesting that the angiogenic environment is not essential for the neuron-blood-vessel interaction. To observe migrating NPCs and blood vessels simultaneously in damaged brain tissue, we performed live imaging of cultured brain slices after ischemic injury. In this system, we virally labeled SVZ-derived NPCs in Flk1-EGFP knock-in mice, in which the blood vessels are labeled with EGFP. Our results provide direct evidence that SVZ-derived NPCs migrate along blood vessels from the SVZ toward the ischemic region of the striatum. The leading process of the migrating NPCs was closely associated with blood vessels, suggesting that this interaction provides directional guidance to the NPCs. These findings suggest that blood vessels play an important role as a scaffold for NPCs migration toward the damaged brain region.

Stem Cells 2010 Jan 13. [Epub ahead of print]

Full Text (open access)

研究員募集終了

研究員募集は終了しました。

尚、平成22年度より本学大学院医学研究科(博士課程・修士課程)に入学し当研究室に参加することを検討されている方は、事前に澤本 (sawamoto@med.nagoya-cu.ac.jp) までご連絡下さい。

入試についてお知りになりたい方は、本学医学研究科ホームページをご覧下さい。

研究員募集【終了しました】

以下の募集は終了しました。

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当研究室では、現在以下の人材を募集しています

1)ポスドク1名

成体脳内の海馬・脳室下帯に存在する神経幹細胞・前駆細胞の機能変化と抑うつ症状の関連についての研究に取り組むポスドクを1名募集します。実験内容としては、マウス脳の組織学的解析・初代培養細胞を用いた培養実験が主体となります。

資格:博士の学位を有するもの
着任時期:2009年6月〜(多少の変更は可能です。)
任期:2011年3月まで。成果により数年延長の可能性あり。

応募方法:履歴書(写真付き)・業績リスト(様式自由)・照会者連絡先(1名以上)をメールで下記問い合わせ先にお送りください。

締切:4月28日
締切後直ちに最終候補者に面接を受けて頂き、2週間以内に決定する予定です。

問い合わせ先:名古屋市立大学大学院医学研究科再生医学分野
金子奈穂子(naokoka@med.nagoya-cu.ac.jp)

Cover illustration

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表紙のイラスト:マウス成体脳室下帯におけるニューロンの産生

脳室下帯の神経幹細胞(青)が産生するニューロン(赤)は嗅球へ移動して成熟する。
Kaneko, N and Sawamoto, K. (2009)
Adult neurogenesis and its alteration under pathological conditions
Neurosci. Res. 63: 155-164. (REVIEW ARTICLE)

【博士課程・修士課程の大学院生として研究に参加できます。】
学位論文のテーマとしては、例えば以下のような課題があります。
・げっ歯類・霊長類の成体脳室下帯におけるニューロン新生・移動メカニズムの解析
・感覚入力による成体嗅球ニューロン産生の制御機構の解析
・脳室上衣細胞の成熟と繊毛運動による液流発生のメカニズムと意義の解明
・ゼブラフィッシュの遺伝学的手法を用いたニューロン新生メカニズムの解明
・虚血性疾患モデルにおける神経再生メカニズムの解明と治療法の開発

問いあわせ:sawamoto@med.nagoya-cu.ac.jpまで。研究室見学も可能です。

ポスドク募集【終了しました。】

【以下のポスドク募集は終了しました。多数のご応募ありがとうございました。】
ニューロンおよびグリア細胞の産生・移動・再生のメカニズムの研究に取り組むポスドクを1名募集します。ご興味に応じて、疾患モデル動物を用いた再生医療研究や創薬研究にも参加していただきます。

応募方法:履歴書・業績リスト・照会可能な方のお名前と連絡先(e-mail)を添付書類としてsawamoto@med.nagoya-cu.ac.jpまでお送り下さい。
締切:10月14日。その後直ちに面接を行い、10月中に決定します。
応募資格:博士の学位を有する者(または取得見込み)
着任時期:2009年4月1日
その他:任期4年間まで。着任後の実績に応じて、1−2年後に教員(特任助教)としての採用も可能です。
問いあわせ:sawamoto@med.nagoya-cu.ac.jpまでメールでお願いします。
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【博士課程・修士課程の大学院生としても研究に参加できます。】
学位論文のテーマとしては、例えば以下のような課題があります。
・げっ歯類・霊長類の成体脳の脳室下帯におけるニューロン新生・移動メカニズムの解明
・脳室上衣細胞の成熟と繊毛運動による液流発生
・ゼブラフィッシュの遺伝学的手法を用いたニューロン新生メカニズムの解明
・虚血性疾患モデルにおける神経再生メカニズムの解明と治療法の開発
問いあわせ:sawamoto@med.nagoya-cu.ac.jpまで。研究室見学も可能です。

平成21年度 修士・博士課程大学院生募集中(実験スタッフは募集終了しました)

平成21年度 再生医学分野 大学院修士・博士課程 大学院生募集

神経発生再生のメカニズムに関する分子細胞生物学的研究と、これらを脳疾患の再生医療に発展させるためのトランスレーショナルリサーチを行っています。
教室は、医学・理学・理工学・薬学・農学部出身者を含む多様なメンバー構成になっています。
研究内容に興味のある方・出願を希望される方はお気軽にご連絡ください。
(澤本和延 sawamoto@med.nagoya-cu.ac.jp)

研究内容
・げっ歯類・霊長類の成体脳の脳室下帯におけるニューロン新生・移動メカニズムの解明
・脳室上衣細胞の成熟と繊毛運動による液流発生
・ゼブラフィッシュの遺伝学的手法を用いたニューロン新生メカニズムの解明
・虚血性疾患モデルにおける神経再生メカニズムの解明と治療法の開発

参考文献
「成体脳室下帯で誕生し移動するニューロン」 蛋白質 核酸 酵素 vol.53, pp.863-869 (2008)
「成体脳のニューロン新生とその異常」 BRAIN & NERVE vol.60, pp.319-328 (2008)

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